それは留萌市と小平町でのみ栽培される
「夕日色の小麦」
留萌市と小平町でしか栽培されていない希少な小麦があります。
夕日の様に深い赤みを帯びた稲穂が印象的な北海259号。
収穫量が少ないため、生産者から見向きもされなかったこの小麦は、留萌市・小平町を巻き込み、今、日本全国へ広がりを見せています。
留萌市の製麺会社「フタバ製麺」が、日本人の好みに合うパスタを目指し研究を重ねる中で、2009年、
「デュラム小麦」に匹敵する硬さや弾力、高い質感を持つ道産小麦に出会い衝撃を受けます。
その小麦の名は「北海259号」。夕日色の穂が実るその小麦は後に「ルルロッソ」と名付けられます。
最初の作付けは、小平町の農家である林寛治さんの協力を得て、0.5haの畑で試験栽培をスタートしました。
この品種は収穫量が少ないため、北海道の優良品種に選定されておらず、栽培マニュアルなどありませんでした。
ですが、たった一人で手探りのなか栽培をに取り組んだのです。
「実際に栽培して驚いたのは、穂の大きさと色。特徴的な赤茶色の穂はこれまでの品種とは違います。
茎が太く、背が低く、潮風にも負けない強さも感じた。」と林さん。
2010年には、地元の生産者や農協、製麺会社、製粉会社などが中心となって「留萌・麦で地域をチェンジする会」が発足しました。
地域の個性を発揮できるパスタ作りを目指す取組みが始まり、2011年には、国産小麦100%の本格生パスタが誕生しました。
たった一人の生産者から始まった希少品種の小麦栽培は、今では8人に増え、作付面積も約30haまでになりました。
今、地域の人々の愛情やアイデアにより、パンやピザ、ハンバーガー、クッキー、つけ麺など、新たな商品が次々と生まれ、その魅力が全国に広がっています。小麦本来の力づよい味を楽しむことができるルルロッソを是非ご堪能ください。
「ルルロッソ」は、アイヌ語で留萌を意味する「ルルモッペ」と、
留萌の夕日をイメージした赤色のイタリア語である 「ロッソ」をかけ合わせたことに由来します。
漢字では潮風にたなびく小麦が留萌の夕日に映える様をイメージし「留々夕麦」と記します。